第65章 流れる月日と二度目の再会
「あ……、私の母が書道を習っていた事を知ってらっしゃったのは貴方でしょうか……?」
天「それ俺だわ。」
「えっ」
桜は実弥と天元を交互に見比べて困惑したように眉尻を下げた。
すると涙を流した大男が口を開く。
行「不死川、宇髄、困っているだろう。ちなみに一ノ瀬先生に出会った順番を言うと私はこの中で3位だ。」
小「それで言うと冨岡が最下位だな。」
義「俺と不死川は大して変わらない。」
「……あの、えっと……、」
桜があまりの人数に戸惑っているとあまねが優しく肩に手を置いた。
「あ、校長せん、」
あ「ちなみに私が2位ですよ。」
「え"っ」
あ「では悲鳴嶼先生、一ノ瀬先生をお願いします。」
そんな自由な空気の中、杏寿郎だけが一言も喋らなかった。
只々ある物を凝視していた。
その視線の先にあったのは明らかに立派な石が乗っている指輪だ。
天元は杏寿郎の異常な視線に気が付き指輪を見付けると目を大きくした。
天「あ?何だよお前らヨリ戻してたの?」
そう言って天元が桜の手を取り指輪を見つめると周りの者は口を閉じた。