第65章 流れる月日と二度目の再会
由「いいけど……桜、本当に大丈夫…?学校お休みできない?アルバイトは辞められないの?」
「ううん、何かしてたいの。」
それを聞くと由梨は眉尻を下げながら立ち上がって寝室へ向かった。
勇之は2人きりになると険しい顔を向けた。
勇「杏寿郎くんが……何かしたのか。」
「………………………………。」
勇「何をされた。お父さんに出来る事はないのか。」
その問いにパタパタッと雫が机に落ちる。
「…………優しくされただけなの。」
由「え!?勇之さん!何で泣かせてるの!!」
勇「いや、私は心配をして……、」
狼狽える勇之を軽く睨むと由梨は自身の婚約指輪の箱を桜に渡した。
由「眠らせてしまっていたから桜にあげるわ。みのるが桜に付けたと思ってお守りにしなさい。」
「……………………ありがとう………。」
その指輪を付けるようになってから桜の体調は随分と良くなった。
立派な指輪は桜の精神を支えてくれただけでなく男除けにも役立った。
そして指輪を付け続けながらも桜は再びミスキャンパスとなり、注目を浴びるようになったのだった。