第64章 消えない不安と拒絶
優「え!?歓迎会?」
「うん……急だけど次の私の授業がおわった後に…。今日の授業は社員さんが多いから若い人達で…お休みの先生も誘ってやろうって……。」
優「そっか……。俺送るよ。早苗さんは俺じゃなければ心配するでしょ。」
桜は図星を突かれ少し驚いた顔をする。
それを見て優介は優しく笑った。
優「頼ってよ。友達でしょ。」
―――
池「じゃあ、行きつけの店に行きましょー!」
「行きつけ?」
優「ああ、皆大学名しか言わないから知らなかったと思うけど、ここの先生駒校出身の人がすごく多いんだ。それで高校の近くの思い出の定食屋に行くことがほとんどなんだよ。夜にはお酒が出て雰囲気変わるんだ。」
「へええー…。」
桜は新しい世界に少しビクビクしながらも僅かに瞳を輝かせた。
それを優介は微笑ましそうな目で見る。
優「面白いよね。一ノ瀬さんと同じく俺も外食をしなかったから残念な事に思い出はないんだけど…。」
「あはは。思い出があったら不思議な気分になったかなあ。」
桜の笑顔が柔らかくなると優介はほっとしたように笑った。