第12章 それぞれの想い
槇「確かにその力は馬鹿みたいに役に立つだろう。だが、お前は見るからに弱いではないか。治療所で働く気か?お前の力を欲する者はそこまで運ばれてこないぞ…。」
槇寿郎の言葉に、またもや杏寿郎が重なり桜は目を細めた。
「はい。とっても弱いです。それでもこの力が隊へ知れれば前線の隊士と関わる仕事になると思います。」
槇「…………自殺行為だ。愚かだ。」
槇寿郎は吐き捨てるように言った。
「そうですね…。弱いのに。あ!でも猫の姿のときはまあまあなんですよ!運動神経!」
桜はそう言ってなんとか明るい空気にしようと試みる。
それでも空気が変わらないのを見て、
「槇寿郎さん、強いでしょ。暇なら守ってくださいよ。」
そう、彼女らしくない冗談を言った。