第64章 消えない不安と拒絶
義「俺は最初から承諾して、」
小「冨岡は大して関わりを持たなかっただろう。来ても意味がない、居る意味がない。それより甘露寺を呼ぼう。」
実「伊黒もあまり接点がなかったんじゃねぇのかァ?甘露寺は取り掛かってる作品に一心不乱になってるって言ってただろォ。」
小「……俺はこまめに文通をしていた。あいつは良い奴だ。」
天(甘露寺との仲を取り持ったのか。)
天「ま、てことだから後でな!!」
天元の言葉をきっかけに皆それぞれの机へ戻った。
天(記憶がなくても魂が、ねぇ……。)
天元は目に見えないものをあまり信じない質であった為、友を想うと複雑な顔をして窓の外を見つめた。
―――
実「いねぇじゃねーかァ!オイィ!!!」
杏「連れてくるとは言っていないぞ!!この様な酒の出る店に桜を連れて来られる訳がないだろう!!!」
天「は?20歳だろ?」
杏「そうだがもう夜だ!!出歩けばどんな危険があるか分かったものではない!!!」
天「夜ってお前さ…、デート何時に帰したの?」
杏「17時だ!!!」
カ「あらあら。とても大事にされているんですね。」
実「いや、やりすぎだろォが…。」
義「すみません、鮭大根はありますか?」
店員を困らせる義勇を実弥がスパーンと引っぱたく。
実「で、これは何の会なんだよ。」
杏「うむ……、実は桜の記憶がないんだ。皆が記憶を取り戻した時の事を詳しく聞かせてくれないか。」
その言葉に一同しんとなる。