第63章 久しぶりで初めてのデート
槇「そうか…!そうだな…、お前は日本酒が好きだろう。次来る時は夕飯も食べていくと良い。一緒に飲もう。」
「は、はい!!」
桜は杏寿郎だけではなく槇寿郎まで自身の事を知っているのだと改めて実感すると目を輝かせた。
槇寿郎はそれを見て嬉しそうにする。
槇「杏寿郎とも…よく飲んでいる。適度な量で、だ。千寿郎は瑠火と一緒にとても美味いつまみを作ってくれる。…お前もそれを絶賛していたぞ。」
「わあ、それは楽しみです!」
槇「俺は昔のお前のように辛口しか飲まん。甘口で美味いのがあれば教えてくれ。」
「………………………は、はい…!」
自身の口からしか出ないような事まで言われ、桜は少し固まった。
杏「……驚いたか?」
杏寿郎はそう言いながら桜の頭を優しく撫でる。
すると桜はすぐ赤くなった。
「は、はい……でも、何となく皆さんを見た事があるような気がします。」
杏「そうか!だが3人とも似ているからな、初めて見た時は驚いたろう!」
それを聞いて桜は杏寿郎と槇寿郎を見比べる。
「……………………え……似て、ますか……?確かに髪と目の色は同じですが…驚くほどでは………。」
その様な反応を初めてされた2人は目を大きくさせた。
杏「………そうだな、似ていないかも知れない。」
それから昼食が並ぶまで話をしながら杏寿郎は桜の頭を大事そうに優しく撫で続けた。
その為、食べる頃には桜の顔は真っ赤になってしまっていた。