第63章 久しぶりで初めてのデート
瑠「桜さん、杏寿郎の好みをもう知っていらしたのですか?」
「い、いえ……。」
桜が選んだものは行列の出来る幻のスイートポテトだった。
杏寿郎は急いで寄るとパッと目を輝かせる。
杏「偶然ではないかもしれないな!俺は芋がとびきり好きなんだ!!」
「そうなんですね!また『うまい!うまい!』って聞けますか?」
千「兄う……兄はきっと『わっしょい!』って言いますよ。好物を食べると言ってしまうそうです。」
「えぇ!スイートポテトにしてよかった…。」
槇「杏寿郎、外で大声を出したのか?桜も……桜さんも恥ずかしかったでしょう。」
「あ……いえ、そういえば全く恥ずかしくなかったです…。」
桜が自身でも不思議そうに首を傾げながらそう言うと、男3人は期待に目を輝かせた。
そこにスイートポテトが乗る皿を盆に入れた瑠火がやって来る。
瑠「まあ、いつまでお客様を立たせているんです。杏寿郎、席に案内して差し上げなさい。」
杏「はい!!桜、おいで。」
「あ、あの…私も手伝います!」
瑠「嬉しいけれど座っていらして下さい。もてなす事が嬉しいのです。……それにしても、」
微笑んでいた瑠火が首を傾げた。