第63章 久しぶりで初めてのデート
瑠「私は杏寿郎の母の煉獄 瑠火です。ご丁寧にどうもありがとうございます。由梨さんとのお電話もとても楽しませてもらっていますよ。上がって下さい。」
「は、はい!」
杏寿郎は二人のやり取りを嬉しそうに目を細めて見つめていた。
洋室へ通されるとそこには父親と弟と思われる杏寿郎と同じ髪色と瞳を持った2人が立っていた。
槇「よく来た……よく来てくれました。杏寿郎の父、煉獄 槇寿郎です。こっちは…、」
槇寿郎にアイコンタクトされると少年はピッと姿勢を正す。
千「弟の千寿郎です!」
「わあ、可愛らしい…。私は一ノ瀬 桜です。お邪魔いたします。」
桜はそう言うと再び深々と頭を下げた。
そんな桜を見て2人とも寂しそうに眉尻を下げた。
杏寿郎に大正時代の話をされてから記憶を取り戻した2人は杏寿郎から桜に記憶がない事は聞いていたが、それでも家族であった筈の桜にいざ他人行儀に挨拶をされるとどうしようもなく寂しくなってしまったのだ。
瑠「まあ。」
一方瑠火は受け取った手土産を開けると嬉しそうな声を上げる。