第63章 久しぶりで初めてのデート
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「大人っぽいのがいい…!」
早「ええ…?桜にはこういう可愛い系の方がいいに決まってるよ。」
「つ、釣り合うようにしたいの…!」
早(ふむ…立道くんは別に大人っぽい顔立ちじゃないけど確かに落ち着いてる。桜の気持ちも分からなくない…。)
早「じゃあチャレンジしてみよっか。」
「うん!!」
2人は会話しながら近くの店へ入る。
早「それでどこに行くのかは決めたの?」
「あ……決めてない。全部お任せしちゃってる。」
早「んー…どこに行くか分からないのなら念の為ヒールは低めにしておいた方がいいね。」
「あ、あとフォーマル系がいいです!」
早「ちゃんとこだわりあるのね。まあジャケット着てれば大丈夫よ!」
「スカートも膝が隠れる方がいいです!」
早「…もうさ、スーツでいいんじゃない?」
早苗がふざけてそう言うと桜は『たしかに!』という顔をする。
その桜のズレ具合いに早苗は慌てた。
早「いや、冗談だから!初デートでスーツ着て行ったらガッカリさせちゃうよ。」
「え"っ」
早「まあ無難なのはワンピースよね。ワンピースが嫌いな男はいない。膝が隠れる上品なワンピースにジャケットでいいんじゃないかなー。ほら、はしごするよー。おいで。」
「あ、うん…っ!!」
それから2人は色々な店を回り、最終的に桜が一目惚れした葡萄酒色、もといワインレッド色のシャツワンピースに白いジャケット、白いパンプスと明るいグレーのコートを購入した。