第63章 久しぶりで初めてのデート
勇「怖くなかったか?変な男に声を掛けられなかったか?迷わず来れたか?」
「わたしもう20歳だよー。大丈夫、安心して。」
桜がそう言いながら柔らかい笑みを浮かべると桜の変化を改めて実感し、勇之は心底ほっとしたように体の力を抜く。
勇「一体何が起こったのだろうな。こんなに突然変わるなんて…。」
「うん…。私も早くそれを知りたいんだ。そしたら…、」
(杏寿郎さんについても分かる気がするから…。)
言葉の続きは大きな音を立てて到着した電車にかき消された。
由「桜!随分早くにどうしたのー?お父さん血相変えて出てってとっても面白かったのよ。」
「ふふ、駅でわたしを褒めてる時も面白かったんだよー。」
そう2人にくすくすと笑われると男1人の勇之は弱った顔をする。
勇「娘を心配して何が悪い。」
由「でもいつかはお嫁にいくんですよー。勇之さんが許しを出す旦那さまは見つかるのかしら。」
由梨の言葉を聞いて真っ先に杏寿郎の顔を思い浮かべた桜は思わず顔を赤くした。
その赤さに両親は目を丸くする。