第63章 久しぶりで初めてのデート
「ご、ごめんね……ただでさえいつも私に合わせて早く起こさせてるのに…。あ、そうだ!」
早「……それは別にいいけど………なに?」
「ちょっと実家に行ってくる!!」
早「1人で!?」
「さなちゃん、今は朝だしもう男の人怖くないし平気だよ。それに一生一人で外歩けないなんてダメだもの。ちゃんとこまめに連絡するから安心して。」
早苗は正論を言われると眉尻を下げたまま固まってしまった。
早「でも…、」
「大丈夫、防犯ブザー持ってく!すっごくうるさいやつ!」
そう言って鞄にブザーを取り付けて桜が微笑むと早苗は折れて勇之に連絡した。
早「驚いた。勇之さんがオッケー出したよ。まああの人の事だから途中まで迎えに来ると思うけど…。本当に気を付けてね。」
「うん。ありがとう。…行ってきます。」
早苗はベッドから出るとパジャマのまま玄関のドアまで見送りに行く。
早「ちゃんと連絡してね。」
「うん!じゃあ…あとでデパートで待ち合わせようね!」
それに頷くと早苗は桜が見えなくなるまで寒さに震えながら見送った。