第63章 久しぶりで初めてのデート
「やっと金曜がおわったーっ!」
桜は部活が終わり早苗と帰り道を歩いていると 抑えきれずにそう嬉しそうな声を上げた。
それを聞いて早苗は笑い声を上げる。
早「さっきから口をむずむずさせてると思ったらそれを言いたかったのね!あいかわらず愛いやつじゃー!」
「だからすぐくすぐるの止めてってばあっ」
二人がじゃれ合っているとそれなりの暗さになった時間故に良くない男にも目を付けられる。
その日も例外ではない。
早苗は桜程華やかな顔ではなかったが、目鼻立ちは十二分に整い 凛とした印象を持たせる顔だった。
柔らかく愛らしい雰囲気を持った桜と凛とした空気を纏う早苗は万人受けする組み合わせだったのだ。
「……さなちゃん…。」
早「うん、いるね。まだ私の顔を覚えてない馬鹿な男がいるんだからビックリだわ。……いや、リピーターが結構いるわね…。気持ち悪いな。」
男「女の子2人で歩いてちゃあぶなっ」
早「この子に触ったらぶっ殺すわよ。」
早苗は桜の手首を掴もうとした男の手を捻り上げる。
桜はそれに慣れているのか驚いた様子はなく、ただ早苗に対して眉を寄せた。
「さなちゃん、そんな言葉使っちゃだめ。他の人も逃げて下さい!さな…このお姉さんすっごく強いから正当防衛って言いながらたくさん技を決められちゃいます!」
早「……ちょっと言い方ひどくない?」
「だっていつも過剰防衛してるもの。」
抜けた雰囲気を持つ桜の言葉は男達に届かず、桜が言った通り男達は投げられ技を決められていった。