第62章 エンカウント
早(立道くんと順調じゃない。よかった。)
早「そっか!オッケーしてくれるといいね!」
「うんっ」
(そうしたら杏寿郎さんに送ってもらえる…。たくさん会えるようになるんだ……。)
暫くして杏寿郎が家に着いたと思われる時間になった頃――、
―――ピロリロリンッ
「あ…!」
早「ん?そんな音だったっけ?」
「あの、ちょっと変えたの!!」
桜は杏寿郎のメッセージの着信音だけカスタマイズしていたのだ。
(何だろう。ご実家に行くお話かな……?)
しかしそんな桜の予想は少し外れ、杏寿郎からのメッセージは『実家へ行く前にデートをしたい』という内容だった。
(デート…車にも二人きりで乗るのかな……。なんだか大人って感じでドキドキする……。)
そう思いながらも桜は快諾する。
すぐに返ってきたメッセージに杏寿郎も目を輝かせた。