第62章 エンカウント
塾講師のバイトは夜遅くまでになる事を知っていた為、杏寿郎は帰りだけでも車で送ると言い張り 最初は遠慮していたものの結局桜は折れた。
結果的に杏寿郎にも会う機会を与えてしまった優介は頭を抱えた。
杏「君達は教師を目指しているのか?もしそうなら同じ学校で働きたいものだ!!」
「はい!先生になる事は小さい頃からの夢なんです!!」
杏「そうか!!立道君はどうなんだ?」
優「俺は…違います。」
杏「そうなのか。」
杏寿郎の返事は本当に残念そうな声色で優介はやり辛さから眉を顰める。
優(器の大きさで負けてる…。煉獄さんには俺に好意を持つまでの余裕があるんだ……。)
そして杏寿郎はやはり桜を先に帰し、二人きりにはならないように配慮した。
早「お帰りー。立道くん、何だって?」
「ただいま!一緒に塾講師しないかって。お父さんに一応報告してから面接受ける予定だけど、私はやりたいなって思ってるんだあ。」
杏寿郎と会えてご機嫌の桜の声は自然と弾む。
それを見て早苗は余計に勘違いをした。