第62章 エンカウント
由「これ……、」
勇「さっきの男、幽霊だったのか…?」
「待って、違うの……こっちも見て。」
桜が差し出したもう一つの写真は桜と杏寿郎に似た男女が仲睦まじく並んで立っているものだった。
皆黙り込み、離れの中は耳鳴りがしそうな程に静かになる。
由「もしかして……、」
最初に静寂を破ったのは何事も受け入れやすい性格の由梨だった。
由「もしかして、桜と杏寿郎さんは前世で結ばれてたんじゃないかしら……!あの瞳はどう見ても桜をよく知って深く愛している瞳だったわ!」
勇「そんな非科学的な……。」
「…………………………。」
今まで前世を信じていなかった桜は由梨の言葉を咄嗟に否定出来なかった。
(杏寿郎さん……。杏寿郎さんは何を知っているんだろう。そうだ、連絡先もらったんだ。聞いてみようかな……。)
その後も捜索を続け、とうとう勇之が頼勇が書いたと思われる書物を見付けると三人は母屋へ戻った。