第62章 エンカウント
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由「桜、杏寿郎さんとはどこで出会ったの?いつの間に?」
杏寿郎の車が去ってから由梨の好奇心が桜を襲った。
「そ、それが…前に会ったことがあるのは確かみたいなんだけど思い出せなくて……、でもとても良い人だってことは覚えてるの。」
由「前に会った…うーん、お母さんも覚えがないわ。それにしても桜のあんな顔初めて見たわ!ねえ、勇之さん!…勇之さん……?」
由梨はショックを受けて固まっているのかと思ったが、勇之はただただ眉を寄せて真剣な顔をしていた。
「お父さん……?」
勇「あ、ああ……少し離れに行ってくる。煉獄様について書いてある書物があるはずだ。」
「え!わ、私も見たい…手伝うよ!!」
由「じゃあ私もー。」
結局三人で離れへ向かうと手分けして資料を漁り始めた。
「………………杏寿郎さん……?」
桜はとある写真を見つけ、薄く口を開いたまま固まった。
桜の様子に気が付いた二人も側に寄って手元を覗き込む。
そして思わず目を見開いた。