第62章 エンカウント
(動画の…燃える瞳の人だ……。スーツ着てる。社会人男性の知り合いなんていたっけ…?)
女友達が知り合いだと思って空気を読み 桜を解放すると、男は勢いを殺さずに駆け寄り桜をきつく抱き締めた。
それを見て今日まで男を怖がっていた桜を思い遣った友人達がその男を引き剥がそうとした。
女「何この人……ぜ、ぜんっぜんビクともしないんだけど……!ちょっとラグビー部!!」
男「いや、俺も全力でやってるって!!っていうかこの髪色…もしかして…、」
「ま、待って。大丈夫。知らない人じゃない。」
ドキドキとしてしまう心臓を抑えながら桜がそう言うと 友人達は安堵から小さく息をつく。
「あ、あの…あなたは、」
男「すまない!感極まってしまった!!だが今日一日何処に居たんだ!!随分と探したんだぞ!!!」
「え……?あの、」
男は桜の声が聞こえないのか興奮気味に話を続けた。