第62章 エンカウント
中高の同窓会でも桜は歓迎されたが、開始からだいぶ経った為か潰れている者もちらほら見えた。
「大丈夫…?お水もらったよ。飲める……?」
桜は心配で話などしていられず、潰れた者の介抱をして回る。
すると明らかに倒れる者が増えた。
「大変…!すみません…!!お水もっとください!!」
優「待って、こいつはさっきまでピンピンしてたから演技だ。一ノ瀬さんは俺が言った人を介抱して。俺も手伝う。」
「ありがとう!」
優介は演技ではない者を的確に言い当てて桜の補助をする。
すると演技を指摘された男が眉を寄せながら体を起こした。
男「立道、邪魔すんなよなー。少しぐらい幸せ分けてくれてもいいだろ。」
優「……………………幸せって?」
男「とぼけんなよ、見せつけるように一緒に来ておいて。付き合ってんだろ?前々から両片思いしてたもんな。」
「付き合ってないよ。ほら、寝かせてあげたいから場所あけて。」
男「…………お、おう…。」
優介と桜の共通の友人は頭を掻くと優介に小さな声で謝る。