第62章 エンカウント
その後、場が落ち着いた頃になって優介はまた桜の元を訪れ『これからも友人でいて欲しい。』と願い出た。
桜はそれを聞くと笑顔を浮かべ、快諾した。
優「中高の同窓会には行かないの?今行けば挨拶くらいは出来ると思うんだけど…。」
「い、行きたい…!ちょっと待って、お父さんに聞いてみる。車も出してもらえると思うし!」
桜は優介に手を振ると店の外に出て勇之に電話を掛ける。
「あ……もしもしお父さん…。」
勇「どうした。何かあったのか?」
「ううん……あのね、今日、中高の同窓会もあって…行くつもりなかったんだけど、顔だけ出したいの。」
桜は自身に弱い父に縋るような声を出す。
「…………だめ?」
勇「すぐ行くから待ってなさい!!」
「やった!お父さん大好き!!」
通話が切れる前に母の由梨が呆れた様な声を出した気がしたが桜は聞かなかったことにした。
そして何気なくそのままスマホをいじって今日撮った写真を見ていた時だった。