第61章 戻ってきた世界
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(と言っても出席の連絡してないのよね…。お店を貸し切るって言ってたから人数増えても大丈夫だとは思うんだけど…。たしか幹事は……、)
桜はそわそわとしながら中学の時の同級生である沙羅にメッセージを送った。
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沙「え……桜が…今から合流したいって……、」
男「え!?…桜って……一ノ瀬!?」
女「男いるって知ってる!?」
男「来れんの!?」
女「大丈夫なの!?」
沙「うん!!いま連絡きたの!…この同窓会終わったら桜の為に女子だけで集まろうって決めてたんだけど…まさかあの子からこっちに来たいって言うなんて……う、泣きそう。」
男「信じらんねぇ…俺これからずっと一ノ瀬と疎遠のままになるんだと思ってたー…。」
小学校の面々は皆同じ区内に住んでいた為、どこからか流れてきた桜の悲惨な事件の噂を聞いてしまっていた。
それによって桜がどうして男を怖がるようになってしまったかの経緯を知っており、ずっと桜を気に掛けていたのだ。
なので桜の出席したいという意志に 仲の良い女友達は瞳を潤ませ、男友達は嬉しさから笑顔になった。