第60章 決戦の日
桜は黙っているしのぶを見ると狡いと分かりつつも人の姿に戻る。
「お願い。しのぶちゃん、カナエさんの分もきちんと生きて。あの子の為にも生きて。」
このタイミングでその姿を見せられると張っていた意地が崩れ去って行く。
し「桜さんはずるい……。」
「うん。ごめんね。」
しのぶの声色が変わって杏寿郎と天元との共闘が決まったと思った時、童磨が嬉しそうな声を上げた。
童「わあ、可愛いなあ。ねえ君のお姉さんと似ているけど関係はあるの?ずっとその姿でいてよ。食べる時さっきの姿だと食欲が失せ…、」
し「黙ってくれませんか。」
しのぶの素早い突きで眼球を傷付けられ視界を奪われた童磨は 天元と杏寿郎の一撃をまともに食らう。
杏「不快な気分になる鬼だ。」
し「ええ、同感です。」
天「お前、何してんの!早く猫に戻っておけよ!!」
「あ、はいっ!忘れてた…。」
童「何で首を狙わないのに斬るかなぁ。理解に苦しむよ。治るとは言え痛いんだぜ?」
天「それはめでてぇ事じゃねーか!!」
杏「胡蝶は先程の様に意表を突いて鬼の動きを乱してくれ!宇髄は範囲の広い攻撃が来た時の対応を頼む!俺は近距離での攻撃を受け持とう!!」
天「お前が仕切るのかよ!しかもそれだと首を斬るのお前じゃねぇか!!」
そう文句を言いながらも天元はしのぶと共に杏寿郎の指示に従った。