第60章 決戦の日
しかし、嫌な予感がしていたのはしのぶも同様であり、そしてそれはしのぶが切望していた物でもあった。
し「桜さん、絶対にこちらには来ないで下さい。では。」
そう言うとしのぶはその部屋へ入って行った。
(今までしのぶちゃんにどれだけ助けられてきたか…行かないはずないでしょ……!)
「待って!!!」
しのぶを追い襖を倒して入った先には広い空間が広がっていた。
「しのぶちゃん!!」
し「…何で……っ!!」
そこにはしのぶの姉、カナエの仇である童磨が女を喰っていた。
童「わあ、可愛くて美味しそうな女の子が来たと思ったら今度は綺麗な猫だなぁ。君、一体何者?」
「……………………。」
(こんな嫌な笑顔みたの初めて…。)
童「あれ?確かに喋ったと思うんだけどな。俺の聞き違いじゃないよな?」
桜は会話をする気にはならなかったが、鬼の虹色の目を見て思わず口を開く。
「………………上弦……の、弐……?」
桜が喋ったのを見て童磨は嬉しそうに笑った。