第59章 決戦に向けて動き出す
槇「あれを運ぶのだろう。人手が足りない。俺も行こう。……悲鳴嶼や隠にも声を掛けておく。」
目を大きくする二人を余所に槇寿郎は要を勝手に使って行冥に協力を要請した。
炎の様な髪色の青年と男性、そして白い毛の大きな猫が夜道を駆ける。
その行き先は成田の居る、そして太陽のような照明がある研究所だ。
駆ける杏寿郎と桜の胸ポケットには配給された小型のランプも入っている。
(間に合って…。)
(間に合って……!)
しかしその想い虚しく、研究所のスタッフや隠達と共に分解したライトを移動させている最中 お館様の目の前に無惨が現れてしまった。
桜達の上空に旋回する鴉が鳴き、お館様から緊急指令が下る。
行「すまないが手伝えるのはここまでだ!!煉獄!!行くぞ!!!」
杏「…桜、幸運を祈る。父上、行って参ります!!!」
「杏寿郎さんもご武運を!!私もすぐに向かいます!!!」
槇「…っ…絶対に死ぬな!!死んだら許さんぞ!!!」
杏寿郎は二人に凛々しい笑顔返すと行冥を追い、お館様の屋敷へ向かって全速力で走っていった。