第59章 決戦に向けて動き出す
無一郎が推察した痣の発現条件は二つ、
一つは心拍数が二百以上である事、もう一つは体温が三十九度以上である事だった。
杏寿郎はそれを聞きながら熱が下がらない炭治郎を思い出していた。
痣の発現条件を知った柱の面々は当然すぐにそれを得ようと考えた。
しかしあまねから、痣を発現した者にはデメリットがあることが伝えられる。
それは寿命が縮まるという残酷な内容であった。
杏(知れば桜は心を痛めるだろうな。結局俺は父上より長生きを出来ないのかも知れない。だが迷う事など許されない。いや、自分自身が許せそうにない。俺は炎柱なのだから…必ず痣を発現させなければ。)
そう杏寿郎が決意をし、柱合会議が終わった後、行冥が柱達に一つの提案をした。
そして鬼の被害が無くなった今だからこそ出来る、柱が隊士に直接稽古をつけるという "柱稽古" が始まることとなったのだった。