第58章 事件の裏側で
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「分かりました!複数の種類を作りましょう!!」
成「ああ、隠という人達の為だね?」
「はい!軽量化を無視したパワーのある物は後援部隊に持たせましょう。鬼に目を付けられる可能性もあるけれど…うーん、どうだろう…。」
成「鬼の体に由来しない飛び道具を出されたらひとたまりもないだろうけど、常に照らしていなければ的にされる可能性は低いよ。複数と言ったけれど他にも?」
「なるほど。とりあえずもう一つ考えついたのは特大のです!そこだけもう陽が燦々と降り注いでいるような!!ライトの向きを変えられると尚良いなあ!動きを封じることさえ出来れば丸ごと焼けちゃうような大きさ!!」
そう言いながら桜は背伸びをして手で大きな円を描き、それを見た成田は声を上げて笑った。
成「あっはは、それいいねえ。鬼からしたら君はおっかないだろうなあ。」
二人の新たな方針は決まり、それから暫くまた話し合いをした後 早くも開発に没頭し始めた成田を置いて槇寿郎に帰りを付き添ってもらった。
槇「……お前、あの男の事をどう思っている。」
「…………あれ?成田さんって男の人でしたっけ?」
桜は話に夢中で何度も会っている成田を男として意識していなかった。
そして恐怖を感じない事から少し首を傾げるも鬼殺隊に関わっているからだと納得し、すぐに微笑む。
「兄妹のような…いや、うーん、…良い仲間って感じがします!」
槇「そうか。」
槇寿郎はそう言うと少し胸を撫で下ろした。