第58章 事件の裏側で
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炭「わあ!とってもふっくらしていますね!」
「うん、ふわふわしてるのは柱の力だよ。」
その言葉に炭治郎は少し首を傾げたが素直な性格故にすぐに『そうなんですね!』と笑みを返した。
杏寿郎が大きな声で、善逸が心の中でそんな二人に突っ込んでいると、槇寿郎が居間の戸を開ける。
それを見て桜はパッと明るい笑みを浮かべた。
「槇寿郎さん!おはようございます。」
杏寿郎と桜は槇寿郎が来ることを信じていた為 上座を空けていた。
槇寿郎はそれを見ると少し居心地悪そうにしたが、すぐに席に着くと朝餉とスフレパンケーキを交互に見つめた。
槇「これは…どちらから食べるべきなんだ。」
千「確かに姉上のは甘味ですが焼き立てを食べて下さい!ふわふわです!」
焼き立てとそうでないのとでは雲泥の差がある事を知っていた為、桜は自身の作ったタイミングの悪さを反省しつつも千寿郎に感謝した。
槇「……頂きます。」
槇寿郎がすっかり習慣となっていたその言葉を口にすると珍しく我慢をしていた伊之助を含めた皆もそれに続く。
箸を入れた時、口に入れた時、皆は二度 目を大きくした。