第58章 事件の裏側で
炭「すふれぱんけぇき…?」
千「とっても美味しいですよ。居間へ来て下さい。」
千寿郎が縁側から庭にいる炭治郎達にそう伝えると伊之助は『すぐ行ってやるよ!!』とすっ飛んでいく。
炭治郎と善逸は伊之助の手を洗わせる為に急いでその後を追った。
その後 千寿郎は槇寿郎の部屋へ行き、部屋の主が起きている事を願いながら小さな声で槇寿郎を呼んだ。
槇「……どうした。朝餉か。」
いつもと異なる声の掛け方に槇寿郎が訝しげな声を返すと、千寿郎はピンと背筋を伸ばし喉をこくりと鳴らした。
千「姉上がスフレパンケーキという甘味を焼いてくださいました。…よ、良ければ居間で…一緒に食べたいのですが……、」
どんどん小さくなる声を聞くと自身でも居間で食べるきっかけを待っていた槇寿郎はあっさりと襖を開けた。
そして千寿郎を置いてどすどすと居間へ向かって歩いていく。
千寿郎は少し呆けた後、笑みを浮かべながら追いかけた。
千(やっと父上を含めた皆で朝餉を食べられる…!)