第56章 戦いを終えて
炭「あ!こら、禰豆子!!行儀が悪いぞ!すみません、桜さん…!」
「全然構わないよー。すっごく可愛い。」
桜が善逸並みに緩んだ顔をすると槇寿郎と千寿郎はやっと完全に警戒を解いた。
槇「鬼なのに…本当に人を襲わないのか。これ程近くに居ても平気だとは……。」
千寿郎も箱に入っていた事から多少の隔離はされているのかと思っていた為 同意を示すように頷いた。
いつの間にか桜の側に座っていた杏寿郎はそっと禰豆子の頭を撫でる。
杏「汽車の中でこの少女が血を流しながら人を守るのを見ました。もうこの少女は立派な鬼殺隊の一員です。」
炭「………………煉獄さん…。」
炭治郎は既に杏寿郎からその考えを聞いていたが、それでも心打たれた様子であった。
桜は炭治郎と槇寿郎、そして禰豆子と槇寿郎、千寿郎の心が近付けたこの機会を作ってくれた杏寿郎に感謝した。
―――
杏「では見廻りへ行ってくる!!」
炭「行ってきます!」
善「い、行ってきます…うぅ……。」
伊「早く行こうぜ!!」
「気を付けてくださいね。」
何度しても慣れない見送りであったが桜はなんとか笑みを浮かべた。