第56章 戦いを終えて
杏「良い演奏だった!父上、いかがでしたか?」
槇「………………あ、ああ。良かった。」
「…わ!ありがとうございます!!」
杏「桜は茶も華も嗜んでいた様なのでそちらもいずれ披露してもらいましょう!」
「え"っ……あ、でも茶室が…、」
槇「……茶室はある。瑠火…妻が昔、使っていた。」
その言葉に桜は少し緊張して口を結んだ。
槇寿郎はその顔を見ると余裕を取り戻して少し意地の悪い笑みを浮かべる。
槇「好きに使って良い。だが俺の舌は肥えているぞ。」
「ま、任せてください!お茶には自信があります!!」
千「姉上、お箏もとてもお上手でしたよ。聴き入ってしまいました。」
「千寿郎くん……ありがとう!」
槇寿郎の隣にいる千寿郎は目を輝かせていた。
そして炭治郎の隣にちょこんと座っている禰豆子も桜を興味深そうに見ている。
善逸はいつの間にかそんな禰豆子の側に寄ってもじもじとしていた。
桜は禰豆子にゆっくりと近寄り前に座る。
槇「桜……、」
千「姉上……!」
「大丈夫です。禰豆子ちゃん、お久しぶりです。と言っても禰豆子ちゃんは私を初めて見たよね。」
そう言いながら桜が眉尻を下げて微笑むと禰豆子はじっとその優しい笑顔を見つめた後、桜の膝の上にぽすんっと座った。