第56章 戦いを終えて
「…………ありがとうございました。」
演奏が終わって満足したように頭を下げると拍手に包まれる。
桜は頭を上げると真っ先に禰豆子を見つめた。
禰豆子は幼い女の子の容姿で炭治郎の側に座っている。
(か、かわいい……!)
槇寿郎は桜の箏について述べようか、禰豆子について質問しようか迷い、口を薄く開いて固まっていた。
炭「やっぱり上手だなあ。俺 ときと屋で二回聴いたことがあるんだけど、その時に弾いた曲もすごく良かったんだよ。」
善「…うん。すっごく綺麗な音だった。」
伊「何で左手はフニフニしてたんだ?」
善「やめろ、近付くなって!!この音…絶対にお前が触って良い物じゃないから!!!」
「大丈夫よ、ありがとう。おいで。ここフニフニしてごらん。」
善逸は『絶対そいつ壊しますよ!!』と言ったが桜は箸の時同様、ほわほわとする伊之助を後ろから抱く様に座ると右手で弦を弾く。
そして伊之助の左手を優しく持って弦を押さえさせた。
伊「!?…変わったぞ!!」
「そう!こうすると音が変わるから色んな曲を弾けるんだよ。面白いでしょう。」
杏寿郎は『俺も弾く!!』と言い出した伊之助を担ぎ上げて距離を取らせると桜の頭を撫でる。