第56章 戦いを終えて
「ありがとうございます!これからも努力を怠らず励みます!!」
杏「うむ!良い心掛けだ!偉いぞ、桜!!」
それから桜は自身が掴んだコツやシーン毎の動き方を杏寿郎に説明しながら街を歩いた。
杏「凄いな。まるで武術だ。」
「あ、はい!私の時代には合気道という武道があって…それの真似事です。父が習わせようとしたのですが私はそれよりお華を習いたいと駄々をこねて…、習えばよかったなあ…。」
桜はそう言いながら少し眉尻を下げ、杏寿郎は少し目を大きくする。
杏「君は華も生けるのか。箏もピアノも弾けたな。あとは何を習っていたのだ。」
「えっと、あと習ったといえるのはお茶くらいです。楽器は他にもやっていましたが今はあまり有名ではないかもしれな、」
杏「何という名の楽器だ?」
杏寿郎の食い付きの良さに桜はたじろいだ。
「…………横笛です。フルートという名前で……。」
そう言うと杏寿郎が大変満足したように微笑んだので、桜は眉尻を下げて慌てて首を横に振った。