第54章 嵐前の日常
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「ごちそうさまです。」
(継子くん達が戦うと思うと緊張するな…。大きな怪我をしないといいけど……。)
杏「ご馳走様です!!」
軽食とは何かについて考えさせられる様な量を食べた杏寿郎は伊之助に文句をつけられ、笑いながら支度をしに自室へ向かった。
隣室の桜もそれに続く。
「杏寿郎くん。」
特に支度が無い桜は手持ち無沙汰になり、杏寿郎の部屋に続いている襖に向かって声を掛けた。
すると『入ってきてくれ!!』と大きな声が返ってくる。
「失礼しま…、…っ」
杏寿郎は道着から隊服に着替えている最中だったらしく、褌にシャツを羽織った状態だった。
「入っていいって言っちゃだめな格好ですよ、それ…!」
杏「君はまだそんな事を言うのか。驚いたな。」
「それはそれ、これはこれです!」
首を傾げて理解してくれない杏寿郎を見ながら桜は深い溜息をついた。