第54章 嵐前の日常
「私はすーーっごく遠い所から来たから伊之助くんに会うのは本当に初めてなの。」
伊「は?遠いって言ってもお前の足での話だろ。何年もかかるわけじゃあるまいしよ。」
「百年かかります。」
伊「ハァ!?」
桜は杏寿郎が朝餉前の食事からまだ帰って来ない事を確認すると急いでスマートフォンを持って来た。
「じゃじゃーん。百年後の通信機器ー。そしてカメラとかも色々ついてるー。善逸くん、ちょっとおいで。」
ずっと桜に近付かないようにしていた善逸に声を掛けると、桜はメイクをしてくれるエフェクトを選び善逸の写真を撮る。
そしてそれを継子三人組にしたり顔で披露した。
炭「え……!?絵じゃない…すごい…本当にそこに善逸がいるみたいだ……。」
善「え、これ俺!?ちょっと可愛くない!?」
伊「これ俺もやる!!」
「ふふふー。でもこれは顔を見せないと撮れないんだよ。」
そう言うと伊之助は両手でズボッと被り物を取った。