第54章 嵐前の日常
槇「楽しんでしまうのならあの罰は無しだ。……だがつまらんな。ああ、そうだ。お前、今晩 任務が早く終わったら晩酌に付き合え。桜もだ。」
「え…?」
杏「分かりました!!」
「あ…っ、分かりました…!」
それからすぐに部屋を追い出され、桜は晩酌で何か特別な話があるのだろうかと首を傾げた。
(悪いお話じゃなくて杏寿郎さんを認めてる事について話してくれたらいいんだけど…。)
杏「桜、次は千寿郎に報告しに行くぞ。」
そう言う杏寿郎の横顔はどこか緊張して見えた。
千「今何と………?」
「ご、ごめんなさい…っ!!」
杏「俺から何度か触れてしまった!下された罰を早くも破り、兄として恥ずかしく思う!!だが父上にこの罰を無くして貰えたので頭に入れておいてくれ!!」
千「……父上が?」
父が許し、桜が謝っている事から事情を大体察した千寿郎は 槇寿郎同様に深い溜息をついてから改めて二人に目を遣る。