第52章 受け止め方
千「兄上、姉上…!お帰りなさい…。」
槇寿郎から何を聞いたのか千寿郎は普段よりも眉尻を下げながら二人を出迎えた。
杏「うむ!只今帰った!!」
「千寿郎くん、ただいま。」
桜は努めて柔らかく笑うと千寿郎の安心させるように頭を撫でる。
そうされて千寿郎は自身が無意識に肩を強張らせていた事に気が付いた。
「千寿郎くんがこんなに心配してるってことは……槇寿郎さん、隊士さんの傷の具合いでも見たのかな。」
千「それは…あの…、」
「やっぱり。もう……治療室に入っちゃだめなのに。次に頼むときは言わないと…。」
千「……………あ、姉上…、ご無理をなされてませんか…?」
弟を失った事を思い出し壊れそうになった桜を見た事のある千寿郎は冷や汗を流しながら拳を握った。