第52章 受け止め方
(怖いくらい綺麗な目……。それなら、私からしろってこと…だよね。)
桜は少し困った様に微笑んだ後 屈んだ杏寿郎の頬に手を当てて優しく口付けをした。
強い風を感じ、それと共に其処が外である事を強く認識すると桜の頬は自然と赤く染まる。
「夜だけですからね、こんなお外でするなんて…。」
杏「それだけで足りるのか。」
「…………えっ?」
自分としては頑張ったと自負していた桜はもっと求められると頬を染めて眉尻を下げた。
「きょ、杏寿郎さん、暗くて表情がよく見えてないのかもしれませんが 私いまとても恥ずかしいと感じています。これより先は帰ってからではだめですか?」
杏「此処でしろと言っている訳ではない。ただ、君は……きっと恥が勝って帰っても俺を求めない。そして今の君は一ヶ月俺に深く愛されなくとも自慰で解消出来てしまうのだろう。だが、俺は生殺しだ。君の自慰が上達して色香を漏らさなくなったのが救いだが、それでも側に愛する女性が居れば触れたくなる。」
「それは………、でも、」
桜は自身が全てリード出来るのかどうか分からず言葉に詰まる。
そして情けなく眉尻を下げると杏寿郎を困った様に見上げた。