第52章 受け止め方
ちょうどその時雲が晴れ、月明かりに照らされた桜の赤い顔が杏寿郎の目に映る。
「どうやって愛したらいいのかが分からないんです…。杏寿郎さんから触れないのならそういった事もなしなのかと思っちゃってました。出来るのなら私だって杏寿郎さんにもっと触れたいですよ。でも中途半端に触れると……色香…が漏れて困らせちゃうかと思って…。」
杏寿郎は桜が全く自身を求めずにいた訳ではなかったのだと知って安堵すると共に酷い後悔を覚えた。
杏「桜………欲情したみたいだ。」
「……えっ!?」
杏「君が。」
「ふえっ」
桜は指摘された内容と変な声を上げたことに更に顔を赤くしながら口を両手で押さえると 勢い良くその場にしゃがみ込む。
「わ、わたし……そこの林でしてきます…………っ!」
そう言いながら桜が勢い良く立ち上がって林へ向かおうとすると杏寿郎は目を大きくさせてから顔を顰めた。