第52章 受け止め方
(……皆の泣いてる声がする。慕われていたんだろうな。一番酷い損傷だった。合同任務の隊長さんだったのかな。きっと皆を庇って戦ったんだ。)
「きっと杏寿郎さんが迎えに来てくれると思うからそれまでここで他の患者さんを待つよ。来ないに超したことはないんだけれど…。この部屋の中にいる隊士さん達には私は帰ったと伝えてほしい。恨み言は責任を取って聞くべきかも知れないけれど、それを聞いて少しでも私に臆病な気持ちが生まれたら使命をきちんと全うできなくなるかも知れな、」
隊「桜様!!まだいらっしゃいますか!!!」
桜が去ろうとした時、タイミング悪く治療した隊士が部屋から出てきた。
「……はい。」
桜は固い表情のまま声の方向に顔を向ける。
(ユキの姿でなくて良かった。私が私のままの姿で恨まれるのは不幸中のさいわ、)
隊「命を助けて頂いて……ありがとうございました…!!」
「………………え……?」
思わぬ言葉に固まっていると隊士は続きの言葉を口にする。