第52章 受け止め方
「ねえ、千寿郎くん。禰豆子ちゃんに会ったことある?」
千「いえ…お食事も取らないですし 意外と機会がなくて…。」
「そっか……会ってみたいなあ。遠くからなら見たことあるんだけどとっても可愛いんだよ。」
千「柱合会議の時ですね。知らせを受けた時は姉上のことが心配で仕方ありませんでした。」
その言葉に桜は少し微笑みながら千寿郎の頭を撫でると『中に入ろっか!』と言い、風で乱れそうになる髪を押さえながら玄関へ向かった。
――――――
千「姉上、お風呂が空きましたので時間があればなるべく早くお入り下さい。」
「うん、ありがとう!」
(しのぶちゃんから急患の連絡が入る前に入ってしまおう。今日は随分暖かいから湯冷めもしにくそうで助かるな…。春らしく風は強いけれど。)
そう思いながら手早く入浴を済ませて母屋の自室で一人髪を拭いていると突如ケンタのけたたましい声が屋敷中に響く。