第52章 受け止め方
杏「どうした。君も鍛錬をするのだろう。」
「うん、ただ…皆の様子を少し知りたくて…。」
杏「なるほど!竈門少年は絵に描いたような優等生で頑張り屋だ。呼吸の鍛錬の時は父上に見てもらう事が多い。我妻少年は努力が苦手なようだな。だが父上に指導を任せた際に何か言われたようで最近は真面目に取り組んでいる。嘴平少年は俺が応援すると怒ったり喜んだりしながら頑張っているな。何故怒ったのかまでは分からないが!」
(伊之助くんが怒るとしたら…負けず嫌いな心を刺激することでも言ったのかなあ…。)
「とにかく上手くいってるんだね。よかった…。」
杏「うむ!だがあの様に調子が良い様子である竈門少年の熱が下がらなくてな。少し気掛かりだ。」
「熱……?何度ですか…?」
杏「三十八度だ!!」
「さっ……八!?八分じゃなくて八度ですか!?こ、高熱じゃないですか……私撫でてきます…!!」
桜はそう言うと門を走り出て炭治郎達を追った。
それを杏寿郎は腕を組んで見送ると、少し体を動かして筋肉を伸ばしてから走り始めた。