第52章 受け止め方
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「いた!!竈門くん!!!」
炭「桜さん!?」
「ストップ!止まって!熱あるんだって聞いたよ!だめよ、放っておいたら…!!」
炭「それはっ、」
炭治郎が説明する間もなく桜は炭治郎の体を白いふさふさの毛が生えた腕で撫でたが熱い体は治らない。
その様子をいつの間にか追いついていた杏寿郎も見つめていた。
「………あれ?」
杏「鬼の形相の千寿郎に薬を飲まされたのだが下がらなかった。君の力でも下がらないとなると病気という訳ではないのだろうな。」
「そんな……。何ともないの…?無理してない……?」
桜は人の姿に戻ると炭治郎の頬を両手で包み心配そうに覗き込んだ。
炭治郎は少し照れ臭そうに頬を染めると眉尻を下げながら微笑んだ。
炭「大丈夫ですよ。むしろ調子が良いんです。ヒノカミ神楽…新しい呼吸も連続して使えるようになれるし…。」
「そっか…呼吸と関係してるのかな……。杏寿郎さんは呼吸を使ってて高熱になったりはしないの…?」
杏「熱か…自覚したことは無いな。いや…、」
そんな会話をしていると桜と杏寿郎に追い抜かれていた善逸が後ろからぽてぽてと走ってくる。