第9章 鍛錬
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千「わっしょいの意味ですか?」
台所で食器を片しながら千寿郎が首を傾げた。
「うん。杏寿郎さん、お昼もさっきもご飯食べながら言ってたよね?すごい気になっちゃって…。」
桜も千寿郎の隣に立ち手伝う。
千「ありがとうございます。…わっしょいに深い意味はないのですが、兄の大好物であるさつまいもを食べると必ず言います。言うともっと美味しく感じるんですよ。」
と千寿郎は笑った。
「あれ?千寿郎くんも言うの?」
桜が驚くと千寿郎は少し恥ずかしそうにしながら、
千「い、言いますよ。兄上みたいに大きな声は出せないですが…。」
と、答えた。
(可愛らしい兄弟だなあ……。)
桜はほっこりしながら微笑んだ。
片付けが終わり部屋へ戻ろうとした時、桜は、もう空が薄暗くなっていることにハッとした。