第1章 神様が望んだ関係
光はとても暖かく、桜をふわふわと幸せな気持ちにさせた。
そしてそれは次第に小さくなり、最後には桜の胸に入っていった。
「………………。」
目を開くと、そこにいたはずの友人は消えていた。
桜は胸に手を当てながら呆然とする。
しばらくして事態を飲み込むと、小さな頬に一筋の涙が流れ落ちた。
「……何で…?こんなすぐだなんて聞いてない…お友達になったら消えるなんて聞いてないよ…。なんで教えてくれなかったの…ずるいよ、まだお話ししたかったのに…。」
そう訴える少女の体は突然入ってきたユキに耐えられず熱を上げる。
呼吸を乱し、泣きじゃくりながらも神殿の残骸に目を向け白い友人の面影を探す。
そしてふと真っ白で綺麗な丸い小石が落ちていることに気が付いた。
桜はそれを拾い上げ、大事そうに胸に抱いて日が暮れるギリギリまで帰らずに涙を流し続けた。
その涙を感じた白い友人は耐えられず、涙が止まるのを見届けてから桜にある自分の記憶を抜き去ってしまったのだった。