第47章 ※前途多難
「…む"ーーー……。」
いつもより低い唸り声に杏寿郎は眉尻を下げて微笑み、謝るように優しく頭を撫でた。
杏「すまない。君が愛らしくて堪らなかった。好いている女性相手に嫌われるような事ばかりしてしまうとは…十二分に気を付けなければならないな。…桜、奥まで挿れても良いか。」
愛おしむ様な声色で謝られ、更に求められると、桜は再び感情を乱されながら杏寿郎の熱に流されこくりと頷く。
自身に見せてくれるその無防備とも言える程の操り易さに杏寿郎はぞくぞくと身震いをした。
杏「……君は俺に甘いな。力を抜いてくれ。」
杏寿郎はそう言うと手を一旦離し、自身の親指を根本まで咥えさせる。
「んっ…ぐ………ぅ、」
杏「あまり愛らしい声を上げないでくれ。随分と前から抑えている。理性を飛ばして愛せば本当に時透を起こしてしまうぞ。」
(あ…今は寝てたんだ。杏寿郎くんまた意地悪言った。)
桜の感情を表情から読み取った杏寿郎はにこっと微笑む。