第47章 ※前途多難
桜は優しい腰使いを嬉しく思うと名を呼ぶ代わりに杏寿郎の頬にそっと触れた。
杏「どうした。どこか痛むのか。」
優しい愛し方に痛みなど感じる筈が無いにも関わらずそう心から心配そうにする杏寿郎に 口を押さえられている桜は只々首を横に振る。
(私に何かある度 私よりも杏寿郎くんの方が影響受けてる。トラウマというか…過敏になってしまっているというか…。ちゃんと私がしっかりして一人で対処できるようにならないと。)
桜はそう決意すると杏寿郎の気を紛らわせようと積極的に杏寿郎の行為に応えた。
そうしているうちに桜の色香は濃くなり、つられる様に杏寿郎の熱も上がって今度は次第に物足りなくなっていく。
しかし桜は怖い思いをした後だった為か優しい行為にすっかり満足している様子で幸せそうな顔をしていた。
杏(…今は無理だろうか。)
杏寿郎は暫く耐えて優しく腰を動かしていたが我慢の限界が近付き額に青筋を浮かべると、桜の額に軽い口付けを二度して注意を引き 誘うような許しを乞うような熱っぽい瞳を向けた。
(………あ…杏寿郎くん焦れちゃってたんだ。余裕のない顔してる…可愛い。)
桜が幸福感から痺れる頭でぼんやりとそう思いながら返事を忘れて見つめ返すと、杏寿郎の腰の動きは無理な制御からぎこちなくなっていく。