第47章 ※前途多難
杏「旦那の前で妻を強姦するつもりか。」
英「な…ッ…………だ、誰…だ…!」
杏寿郎にギリギリと強く手首を掴まれ痛みに顔を歪めると英照は漸く桜の口を解放した。
すると桜はすぐに杏寿郎の胸に顔を埋めて動かなくなる。
杏「見ての通り君は邪魔なようだ。出て行ってくれ。」
そう言って怒りに燃える目のまま微笑んでから杏寿郎は英照の手首を解放する。
そして英照が慌てて部屋を出ていくのを確認すると杏寿郎は胸の中で息を整える桜の背を優しく撫でた。
杏「桜、もう大丈夫だ。安心してくれ。」
「…………ぎゅってしてくれるととっても嬉しい。」
小さな声の要望通りに杏寿郎がいつもより少しきつめに抱き締めると 桜も杏寿郎の背中に回した手に力を込める。
杏(三人の男に襲われた時は冷静だった様だが、先程のように動揺すればその隙に何をされるか分からないな。肌も見られていただろう。口付けもああいった男にされるものと宇髄にされたものとでは種類が違う。)
杏「……桜、口付けをしても良いか。」
その言葉に桜が顔を上げると杏寿郎は優しく口付けた。
その口付けに桜の纏う空気は柔らかくなる。