第47章 ※前途多難
「…任務お疲れさま。それから…、本当にいつもいつも、ありがとう……。」
杏「…っ……桜。」
桜が再び口付けをして舌を入れようとした為、珍しく杏寿郎がストップをかけた。
その理由は二人が居る藤の花の家が決して大きな屋敷ではなく、更に五人の男隊士が泊まっていたからであった。
杏「君の声を他の男に聞かせたくない。きちんと声を抑えられるのか。今はもう夜遅く、気温も低い。外でする訳にはいかないぞ。」
「………………お外?」
杏「基本的には外でする場合が多いらしい。この様に家だと声が響くからな。だが君の体調が心配なので俺は反対だ。」
「じゃ、じゃあ…声、がんばって抑えるから…。」
そう縋るように言いながら桜が杏寿郎の首元に顔を埋めて甘く噛むと、未だ誘われ慣れていない杏寿郎は呆気無く折れた。
杏「俺が口を塞いだ方が良いか?桜に任せるぞ。」
杏寿郎が先程口を男に塞がれたばかりの桜を気遣ってそう問うと 杏寿郎に恐怖感を微塵も感じていない桜は少し不可解そうに首を傾げる。