第46章 新しい任務同行者
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無「鬼の被害が出てるのはあの街。目立つから人の姿になって。」
「うん。…大きな街みたいだね。」
桜が空気を揺らして人に戻ると無一郎は間髪入れずに桜の手をパシッと掴んで歩き出した。
(え!?え…!?柱合会議の時と違って今日は無愛想に見えたけど守ってくれてるのかな…かわいい…!)
そう嬉しく思った桜は頬が緩みそうになるのを必死に堪え、『任務中だ!』と気合いを入れ直す。
一方、そんな様子を無一郎は不思議そうに見て首を傾げた。
無「何かあった?」
「ううん、無一郎くんがやさしいなーって思っただけだよ。」
無「そうなんだ。」
無一郎がそう答えて優しく微笑んだのを見ると桜はパッと顔色を明るくさせ ぎゅっと手を握り直した。
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無「鬼を斬るまでは離れるの?男の人が怖いんじゃないの?僕がいない時に来たらどうするの?」
柱合会議での話の全てを記憶していた訳ではないのか、無一郎は怪訝な顔をしながら桜を振り返った。