第46章 新しい任務同行者
「相手はみのるとよくぶつかってた子達だったんだ。元々は他の子を虐めてた子達だったんだけど、みのるが虐められてた子を助けたの。そしたら今度は五人がかりでみのるに暴力を振るうようになった。みのるは気が強かったからそれでも全くへこたれなかったけど 私がその場に通り掛かったことが何度かあって、それで…、」
桜が中途半端なところで言葉を切って一向に続きを言いそうに無かった為、杏寿郎は桜の頭にそっと顎を乗せると髪を梳き始めた。
杏「その子供達は随分と卑怯だな。そして君の弟は優しく勇敢だったのだな。」
杏(桜は通り掛かったら必ず止めようとするだろう。だが仲裁しようとしただけで "とっても" 嫌われるだろうか。)
そんな疑問を抱く杏寿郎を桜は笑顔を浮かべながら振り返る。
「うん!とっても優しい子だった。だから余計に許せなかったよ。」
微笑みを残しながらも薄く開いた桜の目の色に杏寿郎は既視感を覚えた。
その桜に似合わない色は猗窩座を睨んだ時同様の強い嫌悪の色だった。
杏(確かにこの目で睨まれた後に好意を持てばそれこそ変態性癖だ。桜は一度嫌うととことん嫌う性格なのだな。)