第46章 新しい任務同行者
「無一郎くん、竈門くんより一つ年下なんだよね…。伊之助くんよりも年下…………伊之助くんより…。」
杏「不安か?」
杏寿郎の言葉に桜は少し微笑む。
「伊之助くんがあまりにも可愛らしいから不思議に思っただけだよ。千寿郎くんの方が伊之助くんよりも大人っぽいでしょう?でも…不安が全くないって訳でもないかな。私が私情を挟まないかが心配。」
杏「なるほど、弟に似ている故に気に掛け過ぎてしまいそうなのだな。」
桜は眉尻を下げながらこくりと頷いた。
「私、ユキにとーっても呆れられるくらい人のことを疑ったり嫌ったりするのが苦手でね、悪いことされても『きっとどうしようもない理由があるんだ、本当はいい人なんだ、次はしないって信じよう』って思うようにしてきたの。だけど…、」
髪が乾いたのを確認した杏寿郎は桜の分のタオルも預かって机に置き 桜を胡座の中に座らせると話の先を促す様に頬を指の背で優しく撫でた。
「ありがとう。……だけどね、許せない子達がいたんだ。その子達も私のことをとっても嫌ってた。なんだか酷いあだ名を付けられてた気もする。」
杏「君がか?想像できないな。何があったんだ。」